元京都大学原子炉実験所助手/小出裕章/トークショーin長野ロキシー

プラネ

2021年03月21日 01:55

長野ロキシーさんは興行ランキングの何位になった…という作品は少ないですが単館系やドキュメンタリーが充実しています。

頻繁に映画関係者の舞台挨拶やトークショーがあり業界の人と観客の距離が近いのが魅力だと思います。

昨日3月20日は地球で最も安全な場所を探して…という作品の上映後に元京都大学原子炉実験所助手の小出裕章さんのトークショーが開催されました。


最初は「核のゴミの埋め捨ては可能か?/トイレのないマンション」というテーマから始まりました。

広島の原爆のウランの重量は800グラムになるそうです。100万キロワットの原発1基が1年間運転して生み出すウランの量が1㌧で広島の原爆の1000倍以上のウランが使われ死の灰が生み出されているそうです。

2・私たちの世代は膨大な核分裂成分を使用

日本は1966年に原子力発電が始まり現在は57基が活動、2020年には8兆キロワットのウランを使い死の灰をつくる、広島の130万発の死の灰を排出した

3・中世の錬金術と現代の錬金術

中世に科学的手段を用いて卑金属から貴金属を精錬しようと試みがありましたが元素は変えることが出来ないというのが結論になりました。しかし現代はウラン235を核分裂させるとゴミがうまれ現代では錬金術が行われている…

しかし核の消滅処理や核返還処理は見通しがたたない

1942年に人類は核を持ちましたが78年過ぎても科学の力では無毒化出来ていない

4・高レベル放射性廃棄物の隔離処理
宇宙処分は…ロケットが落ちてしまう可能性がある

海洋底処理…深い海の底で出来ないのか?ロンドン条約で禁止

南極は?南極条約で禁止

日本では地下に埋める地層処理しか現時点で方法がない

大陸プレート、地面は動いている…日本は大陸プレートがひしめく場所にあり地震は大陸プレートがぶつかり合い発生する。ユーラシア、北米、フィリピン、太平洋…日本近海には4ヶ所大陸プレートがあり世界の地震の1割は日本だと言われている。そこに埋めてもよいのか?

5・会社という組織の長さ

1966年に日本で原子力発電が始まり55年

現在は9電力会社が存在、ルーツは1951年で70年

1886年に日本で初めての電力会社が出来てから135年

低レベル放射性廃棄物は青森県六ヶ所村に埋め捨て、政府は300年責任を持つというが300年前は忠臣蔵の時代、当時の人はスマホや電気のことが想像できたか?300年後のことは分からないのに保証出来るのか?

6・国家という組織の長さ

明治維新が1868年で153年前
アメリカ合衆国建国1776年で245年、
なのに300年後の保証が出来るのか?高レベル放射性廃棄物は解消まで10万年時間がかかるというが次世代に負の遺産を残しているのではないか?

7・狙われる貧しい自治体

文献調査を受けた自治体は国から20億円貰えるそうで北海道の寿都町人口2900人と神恵内村800人が文献調査を受けたそうです。

お金の無い自治体に核のゴミを押しつけるのは弱いものいじめでないのか?

自分たちで始末できないゴミをツくっるのはどうなのか?考えさせられました。

石油が枯渇しそうなので原子力発電をしているイメージがありましたが逆にウランが枯渇しそうで次世代のことを考えていないことを知りました。

ウランだけでなく廃棄物処理も次世代のことを全く政府は考えていないことを知りました。

メディアはこうした原子力発電の不都合は報道しないと思います。昔はテレビで報道していることが正しいと思いましたが原発関連の企業に忖度していることを知りました。

目からうろこの小出裕章さんのトークショーでしたが今の政府は未来の人たちに負の遺産の丸投げをしないで欲しいと思いました。

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