日本最古級の映画館長野ロキシーさんは単館系やドキュメンタリーが中心で興行ランキングの何位になった…という話題作は少ないですが8月20日からドライブ・マイ・カーという映画の公開が始まりました。カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作品であり村上春樹さん原作で西島秀俊さん主演と話題作が上映され嬉しく思います。
通常は2週間で入れ替わるのですが2ヶ月近く上映されロングヒット作品になっています。
更新する機会を逃し1ヶ月ほど前になりますが濱口竜介監督のオンライン舞台挨拶が開催されると知り出かけてみました。
西島秀俊さん演じる主人公家福悠介は舞台俳優兼演出家として国際的に活躍しています。
家福には霧島れいかさん演じる音という名の妻がいました。2人には子供がいましたが幼い頃に亡くなりました。
音はセックスをすると良いシナリオが書けることを知り悠介と絆が深まっていました。
ある日音は家福の楽屋に現れ岡田将生さん演じる高槻という若手俳優を紹介しました。
家福が海外の演劇祭に招待されましたが先方の都合で延期になり15年間馴染んだ愛車で帰宅しました。その時に音と高槻が裸で抱き合っている場面をみました。
ある日音から大事な話があるから早く帰ってきて欲しいと言われました。禍福は音から別れ話を言われるのではないか?と思い遅く帰ると音は倒れ亡くなりました。
音を亡くした喪失感と早く帰らなかった後悔に悩んでいた家福ですが数年後広島の国際演劇祭に呼ばれました。
家福は東京から瀬戸内海沿いを愛車で走り広島に到着しました。演劇祭の主催者から以前事故が起きたのでドライバーを呼ぶので車の運転はしないで欲しいと言われました。
家福は車の中で劇のテープを聴くのがルーティンになっておりそのため車で1時間走る遠方に家を借りたので主催者からの要請に面食らいました。
主催者が呼んだドライバーは三浦透子さん演じる渡利みさきでした。
家福は最初は嫌でしたがみさきは運転が上手でした。みさきは北海道出身で母親が札幌でホステスをしていました。運転が荒いと母親に暴行されるので自然と上達したそうです。
15年乗っている愛車を大事にしてくれるみさきと家福は心の距離が縮まるのでした。そしてみさきは家福の娘と同じ年と知るのでした。
オーディションに外国人に交じり高槻がいるのでした…
音を通じた家福と高槻の関係、親子ほど年が違う家福とみさきの関係…ミステリーではないのですが時計が気にならず3時間が過ぎました。
車を大事にしている人や演劇や舞台に興味がある人がみれば一般の観客とは違う見方が出来ると思います。
個人的には高槻や音の関係よりみさきと家福がどうなるのか?が気になった作品でした。
みさきが広島に来た理由や家福に広島を案内して欲しいと言われ以前働いていたゴミ焼却場に家福を連れて行きゴミが粉砕されるのを雪のようだと言っていた場面をみてみさきの半生を思い幸せになって欲しいと肩入れしたい気持ちになりました。
舞台挨拶としてはメモを無くして覚えていないのが残念ですがみさきを中心に感情移入が多かった作品でした。
写真3枚目はオンライン舞台挨拶での濱口竜介監督
4枚目は名前は知りませんが家福悠介とみさきが乗っていた車です