2021年10月10日
ドライブ・マイ・カー/9月12日濱口竜介監督オンライン舞台挨拶




通常は2週間で入れ替わるのですが2ヶ月近く上映されロングヒット作品になっています。
更新する機会を逃し1ヶ月ほど前になりますが濱口竜介監督のオンライン舞台挨拶が開催されると知り出かけてみました。
西島秀俊さん演じる主人公家福悠介は舞台俳優兼演出家として国際的に活躍しています。
家福には霧島れいかさん演じる音という名の妻がいました。2人には子供がいましたが幼い頃に亡くなりました。
音はセックスをすると良いシナリオが書けることを知り悠介と絆が深まっていました。
ある日音は家福の楽屋に現れ岡田将生さん演じる高槻という若手俳優を紹介しました。
家福が海外の演劇祭に招待されましたが先方の都合で延期になり15年間馴染んだ愛車で帰宅しました。その時に音と高槻が裸で抱き合っている場面をみました。
ある日音から大事な話があるから早く帰ってきて欲しいと言われました。禍福は音から別れ話を言われるのではないか?と思い遅く帰ると音は倒れ亡くなりました。
音を亡くした喪失感と早く帰らなかった後悔に悩んでいた家福ですが数年後広島の国際演劇祭に呼ばれました。
家福は東京から瀬戸内海沿いを愛車で走り広島に到着しました。演劇祭の主催者から以前事故が起きたのでドライバーを呼ぶので車の運転はしないで欲しいと言われました。
家福は車の中で劇のテープを聴くのがルーティンになっておりそのため車で1時間走る遠方に家を借りたので主催者からの要請に面食らいました。
主催者が呼んだドライバーは三浦透子さん演じる渡利みさきでした。
家福は最初は嫌でしたがみさきは運転が上手でした。みさきは北海道出身で母親が札幌でホステスをしていました。運転が荒いと母親に暴行されるので自然と上達したそうです。
15年乗っている愛車を大事にしてくれるみさきと家福は心の距離が縮まるのでした。そしてみさきは家福の娘と同じ年と知るのでした。
オーディションに外国人に交じり高槻がいるのでした…
音を通じた家福と高槻の関係、親子ほど年が違う家福とみさきの関係…ミステリーではないのですが時計が気にならず3時間が過ぎました。
車を大事にしている人や演劇や舞台に興味がある人がみれば一般の観客とは違う見方が出来ると思います。
個人的には高槻や音の関係よりみさきと家福がどうなるのか?が気になった作品でした。
みさきが広島に来た理由や家福に広島を案内して欲しいと言われ以前働いていたゴミ焼却場に家福を連れて行きゴミが粉砕されるのを雪のようだと言っていた場面をみてみさきの半生を思い幸せになって欲しいと肩入れしたい気持ちになりました。
舞台挨拶としてはメモを無くして覚えていないのが残念ですがみさきを中心に感情移入が多かった作品でした。
写真3枚目はオンライン舞台挨拶での濱口竜介監督
4枚目は名前は知りませんが家福悠介とみさきが乗っていた車です
2021年07月31日
陶王子2万年の旅/柴田昌平監督/舞台挨拶/21年7月25日




陶芸のルーツの2万年前から宇宙に使われる未来まで世界各地をロケしながら描いた作品で美術品や陶磁器や何でも鑑定団が好きな人にオススメしたい作品でした。
舞台挨拶では24日に松代焼窯元の唐木田伊三男さん、25日には金属造形作家の角居康宏さんの地元に縁のある芸術家を招いてトークショーが行われました。
ゲストの角居さんは現在中条に住んでいますが以前はロキシーさんの近くに住んでいたそうです。善光寺の保護区で火を出してはいけないそうで中条に引っ越したことや大学を卒業して巨匠に弟子入りしたエピソードを語っていました。
陶王子2万年の旅が撮影された経緯は[千年の一滴・ダシとしょうゆ]をみたフランス人陶芸家から人と自然の向き合う姿を描いた柴田昌平監督と人間と陶磁器のドキュメンタリーを撮影したいと話しがあったそうです。
日本の焼き物は生きた博物館であるのに対してヨーロッパはまだ歴史が浅く中国は古い物がどんどん失われていくので日本人の柴田昌平監督と制作したいとオファーがあったそうです。
完成した作品は教育映画のようでこのまま劇場では公開し難いのでユーチューブで知った中国の芸術家に携わって欲しいと思ったそうです。
柴田昌平監督が中国に行き現地の人にユーチューブでみた芸術家の話しをしたら探してきてくれ制作に携わったそうです。
まだまだ良い話しやエピソードがありましたが思ったようにメモがとれず伝わり難くなりましたが知的好奇心が満たされた良いドキュメンタリーでした。
長野ロキシーさんでは8月5日まで公開予定なので盛り上がることを願っています。
2021年07月25日
千年の一滴/だし・しょうゆ/初日舞台挨拶/7月24日


柴田晶平監督は劇中に出てきた宮崎県で焼き畑農業をしていた90歳の女性と知り合いで取材をしていたそうです。自然栽培の椎茸が出てきますが豊臣秀吉時代は献上されていた貴重な食材でした。
映画を制作するにあたり海外にオファーを出したそうで2人が賛同、オーストラリア人の女性は自分の知っているミシュランの評価の高いレストランを取り扱いたい…と話し食文化のドキュメンタリーを作りたい柴田監督とは合わずに一緒に撮影したフランス人と人間と自然のラブストーリーを作りたいと仕事をしたそうです
2011年に撮影がスタート、大手食品メーカーに協賛や宣伝をお願いしたら相手にされなかったそうです。
名前は忘れましたが以前ロキシーさんで酵母のドキュメンタリーの舞台挨拶があり質問コーナーで地上波で放送して欲しいと話したら食品メーカーが良く思わないから地上波では無理だと語っていたのを思い出し劇場から発信していくのが良いのかな?と思いました。
この映画を観る前日に東京五輪の開会式が開催され日本文化の良さが出ていないと感じましたが東京五輪期間中に日本文化の素晴らしさを感じたのは良かったです。
普段口にしているダシやしょうゆについて多くの日本人に観て欲しいと思いました。
2021年07月01日
なんのちゃんの第2次世界大戦/7月3日初日トークイベント開催


頻繁に映画関係者による舞台挨拶やトークショーが開催され業界の人と観客の距離が近いのが魅力だと思います。
7月3日土曜日15時20分から「なんのちゃんの第2次世界大戦」という映画の初日トークイベントが開催され河合健監督と映画アドバイザーのミヤザキタケルさんによるトークショーが開催されます。
平成生まれの河合健監督が現代人と太平洋戦争との距離感にふれフィクションながらも現代社会をあぶり出す新感覚の映画体験になるそうです。
オール淡路島ロケでこうした地域と密着する映画が次々と出て欲しいと思います。当日の盛会となんのちゃんの第2次世界大戦のヒットを願っています。
2021年06月13日
バンクーバー国際映画祭2冠受賞/僕が飛び跳ねる理由/ビデオ舞台挨拶



この映画は自閉症の僕が飛び跳ねる理由を出版した東田直樹さんが13才の時に執筆したエッセイでした。
イギリスのベストセラー作家のディヴィッド・ミッチェル氏は自ら自閉症の子供を育て我が子の行動に対する疑問の答えを東田直樹さんの本にみつけ翻訳、現在では世界30ヶ国で翻訳されたそうです。
映画ではミッチェル氏他にインドとカナダとアフリカのいろいろな国の自閉症の人々の取り組みが紹介されていました。
古くは自閉症が悪魔や魔女扱いされたことに胸が痛みました。必死に生きる自閉症の人やサポートする人に幸あれと思いました。
最後に原作を書いた東田直樹さんのオンラインビデオ舞台挨拶が開催されました。
言葉を選ぶのも大変そうでしたが力強さというか前向きなパワーを感じました。
自閉症の人やサポートする人が少しでも生きやすい世の中になることを願っています。
2021年03月21日
元京都大学原子炉実験所助手/小出裕章/トークショーin長野ロキシー




頻繁に映画関係者の舞台挨拶やトークショーがあり業界の人と観客の距離が近いのが魅力だと思います。
昨日3月20日は地球で最も安全な場所を探して…という作品の上映後に元京都大学原子炉実験所助手の小出裕章さんのトークショーが開催されました。
最初は「核のゴミの埋め捨ては可能か?/トイレのないマンション」というテーマから始まりました。
広島の原爆のウランの重量は800グラムになるそうです。100万キロワットの原発1基が1年間運転して生み出すウランの量が1㌧で広島の原爆の1000倍以上のウランが使われ死の灰が生み出されているそうです。
2・私たちの世代は膨大な核分裂成分を使用
日本は1966年に原子力発電が始まり現在は57基が活動、2020年には8兆キロワットのウランを使い死の灰をつくる、広島の130万発の死の灰を排出した
3・中世の錬金術と現代の錬金術
中世に科学的手段を用いて卑金属から貴金属を精錬しようと試みがありましたが元素は変えることが出来ないというのが結論になりました。しかし現代はウラン235を核分裂させるとゴミがうまれ現代では錬金術が行われている…
しかし核の消滅処理や核返還処理は見通しがたたない
1942年に人類は核を持ちましたが78年過ぎても科学の力では無毒化出来ていない
4・高レベル放射性廃棄物の隔離処理
宇宙処分は…ロケットが落ちてしまう可能性がある
海洋底処理…深い海の底で出来ないのか?ロンドン条約で禁止
南極は?南極条約で禁止
日本では地下に埋める地層処理しか現時点で方法がない
大陸プレート、地面は動いている…日本は大陸プレートがひしめく場所にあり地震は大陸プレートがぶつかり合い発生する。ユーラシア、北米、フィリピン、太平洋…日本近海には4ヶ所大陸プレートがあり世界の地震の1割は日本だと言われている。そこに埋めてもよいのか?
5・会社という組織の長さ
1966年に日本で原子力発電が始まり55年
現在は9電力会社が存在、ルーツは1951年で70年
1886年に日本で初めての電力会社が出来てから135年
低レベル放射性廃棄物は青森県六ヶ所村に埋め捨て、政府は300年責任を持つというが300年前は忠臣蔵の時代、当時の人はスマホや電気のことが想像できたか?300年後のことは分からないのに保証出来るのか?
6・国家という組織の長さ
明治維新が1868年で153年前
アメリカ合衆国建国1776年で245年、
なのに300年後の保証が出来るのか?高レベル放射性廃棄物は解消まで10万年時間がかかるというが次世代に負の遺産を残しているのではないか?
7・狙われる貧しい自治体
文献調査を受けた自治体は国から20億円貰えるそうで北海道の寿都町人口2900人と神恵内村800人が文献調査を受けたそうです。
お金の無い自治体に核のゴミを押しつけるのは弱いものいじめでないのか?
自分たちで始末できないゴミをツくっるのはどうなのか?考えさせられました。
石油が枯渇しそうなので原子力発電をしているイメージがありましたが逆にウランが枯渇しそうで次世代のことを考えていないことを知りました。
ウランだけでなく廃棄物処理も次世代のことを全く政府は考えていないことを知りました。
メディアはこうした原子力発電の不都合は報道しないと思います。昔はテレビで報道していることが正しいと思いましたが原発関連の企業に忖度していることを知りました。
目からうろこの小出裕章さんのトークショーでしたが今の政府は未来の人たちに負の遺産の丸投げをしないで欲しいと思いました。